ハチクロ

観に行ってきました。木漏れ日のようなときどき覗くキラキラとしたものに、なんだか胸がキュッと締め付けられるようで、目を細めてしまう。
私の中ではこんなに「恋」の要素の強い作品ではなかったので、*1また一味違ったハチクロを見せてもらった感じです。淡さと色濃さと、強さとはかなさと相対する要素が入り混じるからこそ魅力的で、だからこそ懸命に生きていないととり残されてしまうのだろう。

以下、内容にも触れてますのでご注意を。
加瀬さんは私が想い描いていた「真山」だったし、竹本くんとアユもほぼ想像通り。キャストが発表になったときに違和感を覚えていた伊勢谷さんの「森田」が、とても素敵でしたね。もっとかわいくて、悩みとかをひとに見せなくて、どうしようもないひと(褒めことば)なんですよ、私の中の森田さんて。だけど、伊勢谷さん演じる森田さんはちゃんと人間らしい一面を持っていて、はぐちゃんに対する気持ちがハッキリしていて、強さがあって。佇まいがかっこいいのね。
ただ、花本先生だけは最後まで「なんか違うなぁ・・・」という感じで。(原田も写真だけとはいえ、違和感が残ったのだけど)かなりイメージを創り上げてしまっているからね・・・(苦笑

はぐちゃんの作品はもっと淡い色を想像してたのですが、映画ではあの空間に一本の芯を入れる感じで良かったな。
9巻を読んだ後、ということもあり、そこにある風景が「想い出」にも受け取れて、そのキラキラしたものたちが眩し過ぎて、せつなくなった。


帰り道に聴いた「ふたりの音楽」(@おおはた雄一。映画とは何の関係もないけど、とてもそういう気分だったのです)がやけに心に響いてきて、うっかり泣きそうになった。

*1:竹本くんとアユと真山が抱くのは恋心だけど、はぐちゃんと森田は人間的な感情だと思っているのです。