リアル

太陽と毒ぐも (文春文庫)

太陽と毒ぐも (文春文庫)

どんなにすきなところがたくさんあっても、許せないひとつのことがあったら・・・。
そこから逃げるひともいるだろうし、そこをなんとかしようとするひともいれば、なんにもしないひともいる。
大概の場合はなんとかできないんだけど。そういう場面で何を選択するか、ということはとても興味深かったりします。

そういうひととの繋がりを一切放棄してしまった私には、「あぁ・・・そういうこともあったなぁ・・・」と何年も前のことを思い出したりする。そういう意味では決して少なくない時間を一緒に過ごした(生活した)ことのあるひとのことを思い出すわけですが、ひとつは割と良い思い出で、もうひとつは最悪な思い出だったりするのですが、最終的な*1自分の選択が間違っていたとは思わない。最後が最悪な思い出で終わっているので、これから素敵な未来が待ってるとかそういうキラキラしたものは期待もしていませんが、この短編集を読んでいたら鬱陶しいと思う反面、羨ましくもなったりしました。

ここでの登場人物はほとんどのひとたちが「続けていく」ということを選択しているので、「強いなぁ」と思いながら読み終えました。
要するに私は誰かと生活をするということに、ちっとも向かない人間だということには気付いています(笑

*1:細かい部分でこうしていれば、とかそういうのはあるけど。